
ペット飼育は、もはやブームを超えて定着しました。戸建住宅では、実に10件中4件の割合でペットが飼われているのです。また、ペットは近年「コンパニオンアニマル」として見直されています。
単なる愛玩具ではなく「人生の伴侶」としてペットを飼う人が多く、「室内飼い」が増えてきているようです。マンションでも、従来の「ペット可」や「ペット対応」ではなく、ペットとの「共生」を前提とした物件が登場。
今や、人のための住まいが、そのままペットのための住まいでもある時代なのです。住まい以外でも、カフェや旅館などでペット同伴可の施設が増えており、単なる「同伴」ではなく、ともに楽しむことのできるサービスが見受けられます。

今、犬や猫に求められるのは、「用心棒」や「ネズミ対策」などの役割だけではありません。かつてよく見かけたような、家の前に犬小屋があって、大きな犬を家の外で飼う姿というのは少なくなりました。
近年はテレビCMで目にするタレント犬も、チワワなどの小型犬が多くなっている影響もあり、飼育犬種も「小型」化しています。見た目の可愛らしさだけでなく、扱いやすさ・飼いやすさが最近のペットには求められているようです。
そして、ペットが小型化してきていることは、「いつでもどこでも一緒にいたい」のニーズに拍車をかけています。小さいペットを抱いて、温泉やマッサージ、アロマテラピーなどのリラクゼーション施設に行く人も少なくありません。

現在、日本では全人口の5人に1人は65歳以上の高齢者であるといいます。ところで、ペットの社会では、人間以上に高齢化が進んでいることをご存知でしょうか。犬の世界で見ると、7歳以上の高齢犬の飼育数は全飼育数の約半数、実に2匹に1匹の割合になります。
現在の犬の平均寿命は約15歳で、20年前の約2倍になっているのです。このペットの長寿化の背景には、屋外と比べて温度変化が少ない室内で飼うようになったという生活環境の変化があります。さらに、ペットフードの栄養価が高まり「食生活」が充実したことや、医療技術や薬品の進歩、動物病院が増えてきたことなども、ペットが長生きする要因としてあげられます。

ペットが高齢化する中、肥満や介護など、人間と同様の問題も出てきており、実際、介護と抜きあう飼い主の数が増えています。ペットショップに行けば、高齢犬用の紙おむつや栄養管理されたペットフード、足腰の筋力が低下したペットを乗せるカートなど、ペット向けの介護用品が目に付きます。
衣食住のうち、住の分野でも「バリアフリー」のような住まい側の対応が必要です。また、高齢化社会では、年老いてからの快適な暮らしの提案も大切になります。家族の一員として、健康面への配慮はもちろん、ペットにも「シニアライフ」を満喫させてあげることは、これからの飼い主の役目になってくるのではないでしょうか。
